お母さん、私は……
- ★★★ Excellent!!!
この物語の世界線では……
すでに食糧問題は末期状況であり餓死、野垂れ死に、行き倒れするものがありふれ、
空気汚染も深刻で政府はすでに地球を見捨て、月の開拓に着手している。
そんな世界にございます。
月に向かう開拓船に紛れて、パライソであるはずの月に逃げる逃亡船たち。
それを、陸軍局の兵器が撃ち落とし……
その時の事故が原因で主人公の脳内では、謎のノイズと共に幻聴が聞こえるようになりました。
それだけではなく、政府が支給したプリンターから、味はともかく食料が出力されるようになり、それで主人公は食い繋いでおりました。
しかし、そんな生活にも翳りが。
プリンターが不調をきたし、ついには土、そして、小さくて丸い「あるもの」しか出力しなくなってしまったのでございます。
当然、ミミズではないので主人公は土など食べられません。
終わっていく世界。手詰まりな社会情勢。ゴールが見えている文明。
袋小路。
果たして、そんな中で希望を見ることができるのか?
そして、幻聴の正体とは!?
圧倒的な世界観。
ハードなSFにございます。
平沢進の曲とか好きな方、
あとはー
映画のソイレントグリーンとか、
ブルーハーブの「未来世紀」という曲が好きな方は、ハマるかと。
ぜひ、ご一読を。