青空を流れる、二筋の飛行機雲。

時は戦時中。

佐々木は、兵士の遺品整理に明け暮れている。


そこに見覚えのある名前を見つけることになる。

山崎中尉。沖縄方面に向かい、未帰還。
功により、海軍大尉に任ず。

しかし、彼の遺品には、変わったものが紛れていることに気が付く。
それは一枚のポートレート。美しい女性の写真。
そして……

白い手袋だった。

それを、女性の元に届けてほしいとのことだった。


佐々木は、すぐに違和感に気がつく。
白い手袋は、女性の手のサイズではなく男物それである。
そして、袖口のしつけ糸が妙に多い。

やがて、それは山崎が、モールス信号にて残したメッセージであると言うことが判明する。



沖縄方面に向かうと言うことは、戦争も終盤。
総力戦が行われていた頃だろう。
そのような時に、一個人の感情など許されるはずもない時代だったはずだ。

それを、このような形で残したのである……。


ラストは、少し驚きの展開が待っております。

ご一読を。













その他のおすすめレビュー

SB亭moyaさんの他のおすすめレビュー861