七十年付き合う相棒。

演出家、篠崎光正著書。『演技術』の、
最終ページにこんなことが書かれてあった。


あなたの嫌いな顔を想像してください。
あなたの嫌いな目を、鼻を、口を、髪型を、耳の形を想像してください。
なんのことかわからず、次のページをめくる。

すると……

「それはこんな顔じゃありませんか?」と言う言葉と共に、
一面が銀紙になっており、自分の顔が映し出されているのだ。



人間は、自分が嫌いであることが前提として生きていることになる。
それは確かに辛いことだ。何せ、七十年以上、嫌いな奴と一緒にいなければならないのだから。



自分の欠点を、認める勇気を持つことが重要である、とこの先生はいう。
これはなんとなく、ヨガの教えに似た部分を感じる。ありのままを受け入れることである。



世界で一番大嫌いで、
そのくせ、世界で一番見捨てられない人物。自分。


間違いなく、人生を生きる上では最も重要な人物自分。それと向き合う良い機会足りうるかもしれない。


ご一読を。










その他のおすすめレビュー

SB亭moyaさんの他のおすすめレビュー861