『愛人（あの女）の顔が、私と同じだった件。～夫は私の顔をした「別の女」を抱いている～』

「……これ、私？」
​結婚三年目の主婦・杏奈（あんな）は、夫のスマホに隠された画像を見て戦慄する。
そこに映っていたのは、杏奈と瓜二つの顔をした女が、夫と情事に耽る姿だった。
しかし、杏奈にそんな覚えはない。
​「残念、私でした。久しぶりだね、杏奈」
​現れた愛人の正体は、かつて杏奈を酷くいじめていた同級生、美姫（みき）。
容姿に強いコンプレックスを持っていた美姫は、数百万の金をかけ、杏奈の顔、髪型、声までも完璧に整形（コピー）して現れたのだ。
​「あんたの幸せ、全部私がもらうから」
​私の顔をした女が、私の服を着て、私の夫に愛されている。
そして夫は、残酷に笑うのだ。
「本物より、こっちの杏奈（ニセモノ）の方が締まりがいいよ」と。
​顔を奪われ、居場所を奪われ、アイデンティティを削り取られ…続きを読む