好きな人はこのままずっと変わらずにいてほしい……

 好きだった人の一番良い時期をコピーして保存できる箱を買ってしまった主人公。
 しかし、その箱はひそかにかなりの人々に浸透していて、性癖丸出しの気持ち悪い使い方をする人もいて、いろいろ弊害も出始めている模様。
 今の旦那に不満が多い主人公は、優しかったころの旦那を箱にコピーして心を慰めるが……。
 SFですが、寓話のような読後感でした。
 そしてAI技術の発展した現在、「箱」はすでにいろいろな形で私たちの周りに存在しているのではないか――などといろいろ考えさせられました。面白い切り口のお話でした。

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