拝読しました。
- ★★★ Excellent!!!
拝読しました。
私は小説を「読みながら書く」タイプなのですが、海咲さんも同じタイプなのではないかと勝手に親近感が湧きました。(意味不明でしたら無視して下さい)
さて、そのまま文章についての評価に移りますが、海咲さんの文体の美点は、とにかく可読性(読ませる力)が貫徹されている所です。その証拠に、漢字(熟語)がまったく連続しない。文章をワイングラスとするならば(唐突)、海咲さんの文章はロブマイヤーのバレリーナです。とにかく薄く、ワイン(内容)の邪魔をしない。一般的なWeb小説の文章がおしなべて厚底フラスコであることを鑑みるに、これは出版社ないし編集者が血眼になって探している文才という気がします。言い過ぎですかね。
長くなりすぎましたので、内容の方は手短に済ませます。率直にいって、とても引き込まれました。ただ、良い所を挙げてもキリがないので、個人的な我儘を書かせて下さい。
・冒頭の「数学の課題のノートを回収しても良い?」という文章ですが、ここに若干の冗長さを感じました。数学の、課題の、ノート。ちょっとリズムがもたつく気がします。せっかく口語なので、「数学のノート回収してもいい? 今日までの宿題だったやつ」みたいな感じでも良いのかなと感じました。……あ、書いてて気づいたのですが、まったく内容に触れていませんね。改めます。
・「それでよく見てたら、結構隠れて俯きながら笑ってんの。まじかって思ったわ」
↑これってめちゃめちゃエモい台詞じゃないですか? これに対する心情をもっと深掘りしてあげないと絶対に勿体ないです。これで一泣き掻っ攫えますよ。
・「おしゃべり好きな私は、これからはおしゃべりなまま生きていこうと思う」
↑これが映えあるベスト・オブ・我儘大賞なのですが、終わり方が綺麗すぎて、むしろ予定調和な感じが否めません。これからゆっくり、少しずつ、みたいなニュアンスが最も収まりが良いのではないかと感じました。
以上です。素晴らしい作品をありがとうございました。カクヨム・コンテスト、あまり詳しくないのですが応援しております。