国家が恋愛を管理するディストピア的世界観が鮮烈

国家が恋愛を管理するディストピア的世界観が鮮烈です。

冒頭の神話パートから主人公の出向命令まで一気に読んでしまいました。


効率性を絶対視する社会の歪みと、樹皿巡査部長の内心の抵抗が織り成す緊張感は、ピリピリしつつも非常に興味深いです。

また、所長との会話は柔らかな言葉の裏に国家権力の冷たさがにじみ、それが穏やかではない未来を想像させます。

一転してチホの登場は明るく、世界の異常さを逆に際立たせるのは、構成として、上手い!拍手したいくらいです。


続きを読みたくなる吸引力があります。