名は体を表すのか?―― 一瞬で空気を変える自己紹介の魔法

 これは、名は体を表すのか?と問いかけたくなる、とびきり異彩を放つ“自己紹介劇”でした。小鳥遊(たかなし)天使長ルシファーくんの強烈な存在感は、教室の空気を一変させ、読者の心にも鮮烈な印象を残します。「小鳥遊」という名字の遊び心と、「天使長ルシファー」という全力のキラキラネーム。親の願いと子どもの人生、名付けの“業”まで想像せずにいられません。

 突き抜けていながら、どこか背筋に冷たいものを感じる不穏さが同居していて、一筋縄ではいかない余韻が残ります。先生の現実的な悩みや心の声が、物語にリアルな重みを与えつつ、ラストに現れる大天使ミカエル兄の“落とし方”も見事。奇抜な名前を背負った兄弟の背後に、さらに不穏な家族像がちらつき、短編ながら世界観の広がりを感じます。

 キラキラネームに振り回される子どもと大人、そして「小鳥遊」の意味に隠された皮肉――読めば必ず心がざわつく、小さな異世界への扉です。あなたもぜひ、この唯一無二の物語に触れてみてください。