闇を怖がる気持ちに、そっと寄り添う夜
- ★★★ Excellent!!!
夜の寒さや闇に対する本能的な不安、そして灯(あかり)ちゃんと回天堂のおばあさんとの心の触れ合いが静かに描かれていて、とても印象的でした。
灯ちゃんが抱えるさみしさや、現代社会の「光」に守られつつも何かを失っていく感覚、そこにおばあさんの人生観や優しさが重なって、読んでいるこちらの心もじんわり温まりました。星空を見上げるシーンは特に美しく、今を生きる誰もが「不安」や「孤独」を感じながら、それでも小さな勇気で夜を越えていくのだなと感じました。
静かな会話の中に深いメッセージが込められているので、思春期の若い読者や、人生の節目で迷いを感じている大人の方、本とか人のつながりが好きな読者にもおすすめの作品です。