今夜のお夜食に如何でしょうか? サードシーズン
隅田 天美
こんばんは。 デーモンクッキングのお時間です。
「こんばんは。昨今、師走に向けて大掃除や年賀状を書いている悪魔の方々も多いと思います。 今夜は、そんな師走に作って年始にぴったりな保存食『人間の目の甘露煮』を作ろうと思います。 テキストに材料や分量は130ページにあります。 テキストのお買い求めは、番組ホームページや書店でお買い求めできます。 今夜の講師は悪魔国宝で料理研究家であるアーモンさんに来ていただきました…… 実は僕、『人間の目の甘露煮』って家で作れるというのは知らなかったです」
「そうですね。最近は核家族化やスーパーなどで手ごろな量の出来上がった目が売っているで、ご家庭で作ることは早々ないと思いますが、我が家は毎年親戚一同が私のために集まってくれるのでどうしても、スーパーなどでは間に合わず乾物屋に行って私が今でも作っています……」
「今日の分量は50人前。約一万人分の眼球を用意しました。 いやぁ、中々迫力がありますね」
「知り合いの乾物屋さんから取り寄せた地獄の極悪人たちの眼球なので、とても良い品なんですよ…… でも、時々コンタクトレンズや割れているのもあるので、そういうものは手の空いた時間で弾きます」
「あー、確かにコンタクトレンズが口に当たると嫌ですね」
「……ここに先ほどの眼球を洗って一晩水に戻したものがあります。これを寸胴に入れて少し被るぐらいの水を入れます……最初は強火で煮立たせて、後は弱火で8時間煮込みます」
「根気のいる作業ですね……」
「昔の人は、この間に大掃除をしたりしていました」
「……大変だったんですね」
「さて、沸騰してた『お湯』を少し入れてください。お水を入れると浸透圧で目玉にしわができます…… この間に10%、40%、60%、80%の砂糖水を作ります。いきなり砂糖を入れても、これも目玉にしわができます」
「ゆであがった目玉があります」
「まだ、湯気が出ている間に砂糖水に入れて一晩漬けます。これを濃度を上げながら1週間付けます」
「ここに100%の砂糖水に付けた目玉があります…… 少し頂きます。うん、自然な甘みで眼球のほろ苦さもあり、お正月にぴったりですね」
「今は、圧力鍋や炊飯器でやるご家庭もありますが、私はやはり昔ながらの方法のが好きです。 皆様も、お時間がありましたらどうぞ」
殺人及び殺傷罪は重罪です。
絶対やめましょう!
今夜のお夜食に如何でしょうか? サードシーズン 隅田 天美 @sumida-amami
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