毒婦のレッテルも折れた心も、溺愛により変わってく。
- ★★★ Excellent!!!
結婚とは、二人の門出を祝うおめでたいもの。
ましてや、一国の王女と侯爵家の子となると、たくさんの人に盛大に祝福されることでしょう。普通ならば。
しかし本作で出てくる王女フォーゼは、何度も婚約と婚約破棄を繰り返すとんでもない人。婚約した相手に難癖をつけては、王家をしのぐ力を持つ可能性がありそうな有力貴族をつぶしていったのです。
彼女との縁談を持ちかけられたヨハンシュも、もちろんその家からしても、そんなの冗談ではありません。とはいえ断ることもできず。
ならば彼女を溺愛して、婚約破棄なんてしたくないと思わせればいいのでは。
なんてアイディアをお兄様からいただいたヨハンシュは、早速溺愛作戦を開始するのですが……
本作の要となるのは、そんなこんなで溺愛される、王女フォーゼの心の変化。
と言っても、悪女が改心するという話ではありません。
事情を知れば知るほど、フォーゼが悪女なんて全くの嘘。というか、むしろ被害者ということがわかってくるのです。
そうなると、溺愛だってお家を守るためのものだけではありません。傷ついてボロボロになっているフォーゼの心を癒すためにも、溺愛して溺愛して溺愛しまくりなさいと、フォーゼのためにもヨハンシュを応援したくなるのです!
ヨハンシュの溺愛は、フォーゼを救うことができるのか。
彼女の救いと、変化にご注目ください。