警察の公安課に勤める永友が再会したのは、小学校時代の幼馴染み、トーゴ。
昔から小柄で優しくて可愛いげのあった、一番の友達でした。
久しぶりの再会に喜ぶも、永友には疑問に思うことが。
トーゴは昔、空港で起きた爆破テロに巻き込まれて、死んだのではなかったのか?
しかし実は、テロを逃れて生きていたのです。
テロ事件で両親を失い、その後わけあって中国で生活を送ることになったトーゴは、老師と呼ぶお爺さんと一緒に暮らしていました。
名前を変え、学校には行かずに、山の中で独自の生活を送るトーゴ。
育て主である老師は武術に優れていて、彼の元で修行を積む日々。
純粋で好奇心旺盛で、色んなことを学んでいく様子は、バトル漫画でいう修行編のような感じ。
親を失って、誰も自分のことを知らない中国で暮らすことになったトーゴですけど、修行をして日々強く、賢くなっていく様子には、暖かさがありました。
しかし! そんなハートフルに終わってくれないのが本作!
大人になったトーゴはマフィアの暗躍する裏社会に関わっていきます!
可愛げのある純粋無垢だったトーゴ少年がどんな大人になって、どんな人生を歩んできたのか?
物語の半分以上がトーゴを軸に描かれますけど、永友を中心に話が描かれることもあり、彼から見たトーゴとの関係がエモいです。
しかしそれ故に、大人になった彼らに待ち受けている展開が切ない!
いったい何が待っているのか、読んで確かめてみてください。
爆破テロに巻き込まれ両親を失ったトーゴ。
その場にいた彼が助かったのは、一人の中国人お爺さんのおかげでした。
その時のトーゴの年は8歳。子供の身にはあまりに衝撃的な出来事ですが、これでもまだ彼の数奇な運命の序章にすぎません。
なんとか生き延びたトーゴは、そのまま助けてくれたお爺さんに連れられ中国に。しかも別の名前を与えられ、今までとは全くの別人として生きることになってしまったのです。
トーゴが名乗るようになった新たな名前は、昇龍。
それからお爺さんこと老師と一緒に暮らし武術家として育っていくことになるのですが、ここで幸いだったのが、昇龍が武術の修行を苦にしなかったこと。
むしろ自ら積極的に学ぼうとし、そのやる気は時に老師がそれくらいにしておけと音を上げるほど。
老師は本当に人間かと疑いたくなるくらい強いのですが、そんな老師も感心するくらい熱心に修行に打ち込み成長していく姿は、見ていてワクワクしてきます。
ゆくゆくは老師を超えることができるのか?
しかしですね。この修行や成長のパートも大変面白いのですが、この手の話が修行だけで終わった試しがありません。
修行の先、彼には再び過酷な運命が待ち受けけているのか。そしてそこで、どんな選択をしていくのか。
少年の成長と、様々な運命の岐路における決断の物語です。