首だけの女と旅する、魔法剣士と盗賊のダンジョン冒険譚
- ★★★ Excellent!!!
世捨て人のように静かに仕事をこなす魔法剣士ショート。
相棒は――首だけの女。しかもよく喋る。
ひとり気ままに仕事をこなすはずだった彼は、
ゴブリン退治で救った妖精種の若き盗賊・グラスに懐かれ、
仕方なく三人(?)旅となる。
向かう先は、古代文明メドリア期の遺構とされる屋敷跡。
ただの廃墟のはずが、奥へ進むほどに仕掛けは複雑になり、
彼らを「調べる」視線が、そこかしこに潜んでいく。
道中には冗談と皮肉、首とツッコミと火の玉が飛び交い、
戦闘になれば剣が閃き、魔法が爆ぜる。
だが誰もが、どこかに「孤独」と「痛み」を抱えていた。
これは、ぶっきらぼうな剣士と、
陽気な首と、お調子者の盗賊が挑む、
軽やかで少しビターな冒険譚。