デカすぎる蝶を育てる夢

 蝶を育てることにした。小さな芋虫をどこから入手したのか、三匹を虫籠の中に入れた。

 結構気合が入っていた様で、虫籠は透明で大きなものを用意した。中に土を入れ、太めの枝を立てる。芋虫は生まれてからそれなりに時間が経っていたのか、枝の葉が食い尽くされるより先に蛹になった。


 問題はここからだ。

 蛹が日々巨大化していくのだ。

 芋虫は小指程の大きさだったのに、蛹は今や赤子の手くらいの大きさだ。芋虫は蛹の中で一旦ドロドロになると聞いたことがあるが、蛹自体も成長するのだろうか? そのまま蛹は私の手程の大きさになった。

 ある日、蝶が羽化した。芋虫の頃からは信じられない大きさになって、南西諸島に生息する巨大な蛾の様なものが現れた。胴体はもちもちと太くカブトムシの幼虫ぐらいある。最初からそのつもりで育てていたのなら何も文句は無かったのだが、可憐な蝶々が生まれると思って芋虫を育てていたのに、巨大な蛾になられると中々にくるものがある。でも蛾のようにもふもふではないから、分類としては蝶なのかもしれない。

 

 次の場面では、誰かが虫籠の蓋を開けていた。

 虫が逃げるから閉めて──と言おうとしたが、蝶は早速入り口に止まっている。無理に蓋を閉めれば潰され、大変なことになる。何とか蓋の端で誘導して虫籠に戻そうとするが、言うことを聞かない。

 しばらく格闘していると突然、蝶が私の方に飛んできた。羽を広げれば私の両掌ぐらいあるのだから、そんなものがいきなり飛んできたらびっくりする。思わず私は蓋を落とし、その場で尻餅をつく。

「うわあああああああああああ!」

 蝶は倒れ込んだ私の顔目掛けて飛ぶ。振り払っても私の顔に留まろうとする。

「ほら、遊びたいって言ってるよ」

 親のいつかの憎たらしい言葉がどこからか聞こえ、そこで目が覚めた。

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夢の記録たち にるなえあ @Nilnaea

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