知識と執念で死線を越える廃病院の夜
- ★★★ Excellent!!!
追われる側なのに「完全記憶×理系脳」で状況を組み立てていく主人公が印象的で、ただの逃走劇ではなく“頭脳サバイバル”として楽しめるお話でした。時間のカウントや、病院の構造・薬品・機材をフル活用していく描写が積み重なって、文字を追うほど緊張感が増していきます。
相手が圧倒的な力を持つ存在でありながらも、様々な視点で少しずつ崩していく流れが気持ちよく、読み手も一緒に“攻略”しているような感覚になります。
「生き延びる」というテーマが一本通っているのも素敵でした。長い夜を駆け抜けたあとの余韻が、静かな達成感として残る一作だと思います。