服と会話できる魔法使い。本当に連れていくべきパートナーは誰が正解?
- ★★★ Excellent!!!
設定からオチからすべてが楽しかったです。
主人公はある「魔法使い」の青年。これから「デート」に行く約束をしたため、何を着ていくのかと準備を始めます。
彼は魔法使いであるがゆえに、自分の持ち物とも会話をすることができる。それはもちろん「服」が相手でも同じこと。
クローゼットの中に入っていた礼服の「フォーマルくん」は自分を着てデートに行ってほしいと懇願します。
このやり取りがすごく楽しかったです。「フォーマルくん」や「カジュアルくん」と、服に名前がつき、どっちを連れていく(着ていく)かと検討する。服そのものと会話しながら最適なコーディネイトを考え、そしてお留守番を命じる方には「しっかりと説明」して理解してもらおうとする。
そうして、「最適な服装」で出かけて行った彼でしたが……。
最後の最後で回収される、「ある伏線」な要素。これまでのやり取り、そして彼の失念していた「重要事実」について。
思わぬ皮肉が降り注ぐラスト。描かれてきた全てが一気に「違う意味」を持つようになる展開が最高に楽しかったです。