琥珀色の空が問いかける。あなたの“現在”はどこにあるのか……。
- ★★★ Excellent!!!
碧い河と紅い大地が織りなす世界で、主人公は自然の調和に包まれながら、風との対話を通して「時間」そのものの不確かさに触れていく。
未来から来たはずなのに記憶は霧散し、過去を知ろうとしても、風の語る「過去も未来も存在しない」という言葉に揺さぶられる。
作者の綴る優しく丁寧な文体が紡ぐ世界に、思わず憧れを抱いてしまう。
すべてを知ることへの恐れと、知らないままでいることの救い。その狭間で立ち尽くす主人公の心情が、琥珀色の空とともに静かに余韻を残す物語だった。ありがとうございました。