SFらしいロマンと、じわりとした恐ろしさ

ある日突然、地球軌道に現れた恒星間天体〈エウリュディケ〉。
その中の洞窟にいたのは、巨大な人間型構造物。これが月面での事故にあい行方不明になっていた娘の姿をしていて……。

天体の中に巨大で裸の女性が寝ているだけで驚きなのに、それが娘だなんてどうなってるの!? そんな驚きは、これを発見した源が家に帰ってからも続きます。なぜなら源は、もっと前から娘に関しての不思議な現象と共に生活していたのです。

源からの「なぜ?」に対する娘からの「こたえ」が非常に興味深く、SFに造詣が深くない私もすっかり引き込まれて、前のめりに読み進めていました。

〈エウリュディケ〉の中にいる娘は何なのか? 源はどう感じ、何を願うのか?
最後まで目が離せず、楽しめるお話です。
全4話の短編ですので、ひととき、不思議な宇宙空間に意識を飛ばしてみてはいかがでしょうか。

お薦めです(^^)!