自らの足でたつ凛とした女性は、幼馴染で鬼の血をもつ夫と祓い屋になる

 この物語の最大の魅力は花梨と蘇芳という、ふたりの関係性です。

 ふたりは新婚のはずですが、幼いころからの長いつきあいで、文字通り長い春の末に結婚したから、互いに遠慮がない。

 そこが、いいんですよね。

 とにかく女主人公の花梨が魅力的で、祓い屋として活躍するときの、凛としたたずまい。祓う瞬間の描写には、読者を一気に物語へと引き込む緊張感があります。

 もちろん鬼の血を引く蘇芳も素敵です。

 ふたりの日常は悪霊との戦いとは打って変わり、温かさに満ちています。美味しそうな食事も含めて、そこは、この物語の癒し部分です。

 ふたりの結婚の形が物語の深みを与えているのです。

 いろんな悪霊やら怨霊やら、こいつ大丈夫かという人々が現れますが、夫婦ふたりが、きっちり祓ってくれる痛快作品。

 どうぞ、お読みください。

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