この物語の最大の魅力は花梨と蘇芳という、ふたりの関係性です。
ふたりは新婚のはずですが、幼いころからの長いつきあいで、文字通り長い春の末に結婚したから、互いに遠慮がない。
そこが、いいんですよね。
とにかく女主人公の花梨が魅力的で、祓い屋として活躍するときの、凛としたたずまい。祓う瞬間の描写には、読者を一気に物語へと引き込む緊張感があります。
もちろん鬼の血を引く蘇芳も素敵です。
ふたりの日常は悪霊との戦いとは打って変わり、温かさに満ちています。美味しそうな食事も含めて、そこは、この物語の癒し部分です。
ふたりの結婚の形が物語の深みを与えているのです。
いろんな悪霊やら怨霊やら、こいつ大丈夫かという人々が現れますが、夫婦ふたりが、きっちり祓ってくれる痛快作品。
どうぞ、お読みください。
幼馴染であり、義理の兄妹であり、弟子同士であり、仕事仲間。
そんな複雑な関係の花梨と蘇芳が夫婦となったところから、物語は始まります。
長く一緒にいるせいか、二人は夫婦になっても落ち着いた空気感が漂っています。
それでも、ところどころに緊張やお互いへの思いやりが感じられて、微笑ましい関係性だなって思います。
二人は祓い屋として仕事をこなしていくわけですが、夫婦であり仲間でもある絆が感じられて頼もしいです。
だけど、祓う相手は物の怪など。言葉が通じる相手ではなく、そう簡単にはいかないこともしばしば。
けれどそこは、二人がうまく補っているように思います。
不思議な物語として読んでも楽しいし、お祓いや呪術ものとしても興味深いです。
だけど私としては、飯テロだなと!
素朴な食事なのですが、美味しそうなのです!日本人ならヨダレが出る!
和の食事が好きな人にもおすすめの、しっとりとした作品です。