鳥肌もののモキュメンタリーホラー。誰がこの展開を予想できようか……。
- ★★★ Excellent!!!
大変面白かったです!
モキュメンタリーを読むのは初めてなのですが、「そう来るか!」と驚嘆させられました。いや~まだ鳥肌が収まりませんよ。
本作でテーマとなるのは「おみくじ」。おみくじって、身近にあるけど内情はよく分からない感じがしますよね。それがホラー要素と噛み合って、より高次元の恐怖へといざなってくれます。
●●神社のおみくじはどうやら凶と大凶しか出ないらしく、しかも引いた人物には呪いのようなものが発動するらしい……。と、噂なのか真実なのかハッキリしない得体の知れない恐怖が全編にわたって漂っています。
おみくじをめぐる人物たちのエピソードというのがまた非常にバラエティーに富んでいます(というか本作は事実を書き記しているものなので野暮ですが笑)。展開のテンポが良く、読者を飽きさせないものに仕上がっていると感じました。
いつものことながら文章も流麗で読みやすいです。たぶんホラーって読みにくかったら現実に引き戻されて恐怖が半減してしまうと思うのですが、本作は筆力が没入感へと昇華されています。おかげでストーリーにのめり込むことができました。
掌編レベルの小さなエピソードが積み重なって、最後には大きな広がりを見せる。連作短編の理想像みたいな形式が実現しています。僕は普段はミステリ読者なので、やはり「結末」や「伏線の収束」というのは気になるものなのですが、期待を遥かに上回ってきました。大満足のまま読み終えることができました。
ホラー好きの方はもちろんのこと、僕みたいなホラー初心者でも存分に楽しむことのできる傑作です!!