概要
あのひとに触れられるその手が、ただ羨ましかった。
私には救えなかった傷を、瞬時に治してしまうその手が。
いつしかただ、狂おしいほど羨ましかった。
医師としてただ尊きひとつの命を救うため、己が自ら手繰り寄せた『紛い物のように美しい手』は。
初めて愛したひとを、遥か遠く手の届かぬ遠い所へと、連れていった――。
令和の獣医師✕戦国の漢方医。
外科(金瘡医)の親匡と、内科(漢方医)の三蔵の背中を預け合う「戦国島津最強の軍医バディ」が生まれたその瞬間。
皮肉にも、一人の姫を巡る切ない恋の歯車も回り出す。
これは島津久保の家臣として山本親匡と共に戦国に生きたもう一人の軍医・鬼塚三蔵が生涯心に秘め続けた、『玉響の桜〜愛し君へ〜』に隠されたもうひとつの恋の物語。
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