概要
靴屋のおっさん、かかとを削るだけで「無自覚ざまぁ」する。
「アンタの仕事は、経理でいうと消耗品だ」
杉浦は二十年、大手クラン〈鉄白〉の装備係だった。
攻略者の頂点にならぶ十二の席――十二脚。その十一席ぶんの靴を、作り、直してきた。
けれど消耗品は、減れば捨てられる。
作った人間も、おなじ扱いだった。
五十二歳、追放。
町のすみに、小さな靴屋を開いた。
ほんとうは、その靴が十二脚の記録をささえていた。
かかとを一ミリ削ると、歩幅が変わる。
歩幅が変わると、間合いが変わる。
間合いが変わると、記録が変わる。
本人は「削っただけ」だと思っている。
追いだしたクランは、すり減った靴のまま歩きつづける。
すべるたびに新品へ替え、また、すべる。
ひとつずつ失脚。
――残り、十一席。
店には十九歳が来て、記録を抜いた。
やがて人類最強がならび
杉浦は二十年、大手クラン〈鉄白〉の装備係だった。
攻略者の頂点にならぶ十二の席――十二脚。その十一席ぶんの靴を、作り、直してきた。
けれど消耗品は、減れば捨てられる。
作った人間も、おなじ扱いだった。
五十二歳、追放。
町のすみに、小さな靴屋を開いた。
ほんとうは、その靴が十二脚の記録をささえていた。
かかとを一ミリ削ると、歩幅が変わる。
歩幅が変わると、間合いが変わる。
間合いが変わると、記録が変わる。
本人は「削っただけ」だと思っている。
追いだしたクランは、すり減った靴のまま歩きつづける。
すべるたびに新品へ替え、また、すべる。
ひとつずつ失脚。
――残り、十一席。
店には十九歳が来て、記録を抜いた。
やがて人類最強がならび