概要
断られると思ってなかった顔、初めて見た。
「有村くん、好きです」——学園の女王・鷺宮玲華が、放課後の中庭で俺にそう言った。柱の陰には側近三人とスマホ。どう見ても罰ゲームだ。だから俺は、五秒で答えた。「ありがとうございます。でも、お断りします。俺、他に好きな人がいるので」。嘘に嘘で返さなかっただけ。それだけのはずだった。なのに女王は固まり、翌日から俺は「女王を振った身の程知らず」になり、女王は生まれて初めて「断られた理由」を考え始めた。毎日教室に来る。俺の弁当のから揚げを食べる。「理由が分かるまで、帰らない」。一方、俺が本当に好きな幼馴染の朱里は、いつもの笑顔で言う。「断ったの、見てたよ」。揺れない俺と、壊れ始めた女王と、笑っている幼馴染。誰が損をして、誰が本気なのか。
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