概要
読めないはずの原稿に赤ペンを入れた日、彼女の物語はもう一度息を吹き返す
本が読めなくなった小説家が、なぜか読めた。訪問看護師が書いた、びっくりするほど不器用な小説だけは。
三倉文乃は、小説家だった。けれど今は、文字を追えても物語が頭に残らない。書くこともできない。
そんな文乃の前に落ちた、訪問看護師・佐伯直人の原稿。
《朝は朝だった。》
「朝が朝なのは、読者も知ってます」
気づけば文乃の赤ペンは止まらなくなっていた。
「豆腐に家族愛を背負わせないでください」
「口頭注意で済む量ではありません」
「文章に行政処分ってあるんですか?」
「佐伯さんの原稿なら制度を新設したいです」
容赦なく直す文乃。
全部メモする佐伯。
笑って、直して、また書いて。
佐伯の原稿が少しずつ小説になっていく一方で、もう物語には戻れないと思っていた文乃自身にも、変化が起き始め
三倉文乃は、小説家だった。けれど今は、文字を追えても物語が頭に残らない。書くこともできない。
そんな文乃の前に落ちた、訪問看護師・佐伯直人の原稿。
《朝は朝だった。》
「朝が朝なのは、読者も知ってます」
気づけば文乃の赤ペンは止まらなくなっていた。
「豆腐に家族愛を背負わせないでください」
「口頭注意で済む量ではありません」
「文章に行政処分ってあるんですか?」
「佐伯さんの原稿なら制度を新設したいです」
容赦なく直す文乃。
全部メモする佐伯。
笑って、直して、また書いて。
佐伯の原稿が少しずつ小説になっていく一方で、もう物語には戻れないと思っていた文乃自身にも、変化が起き始め
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!第5話まで拝読しました。
本が読めなくなった小説家・文乃が、訪問看護師・佐伯の不器用な小説には、黙っていられない。容赦のないツッコミと、それを妙に素直に受け止める佐伯のやり取りに、何度も笑いました。文章を書く人なら、佐伯の原稿に少し身に覚えがあるかもしれません。
特に好きなのは、勢いよく動いていた赤ペンが止まる場面です。椀を両手で持つ仕草や、卵を持ち直す指先。説明を重ねる代わりに、人物の動作から情景が浮かぶ。その変化を、文乃と一緒に味わえるのが面白いです。
そして、読めた日のあとにも、読めない日がある。原稿を読んでほしい佐伯の気持ちも、今日は読むのをやめたい文乃の気持ちも、置き去りにしないところに惹かれました。
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