概要
暗がりの奥は歩けない決まり
些細な事故で命を落とした「私」は、色のない底冷えのする死後の世界に取り残されていた。
死者の寒さに耐えきれず、残された彼の背後に寄り添っては、彼が流す涙の微かな温もりで暖を取る日々。
暗がりから這い出る泥のような影たちは、「彼を引きずり込め」と甘く囁きかけてくる。
けれど、触れてしまえば彼の命の灯火を奪ってしまう。
生者に触れてはならないという禁忌を胸に、私は彼が前を向いて歩き出すその日まで、闇から彼を守る防波堤になることを誓う。
死者の寒さに耐えきれず、残された彼の背後に寄り添っては、彼が流す涙の微かな温もりで暖を取る日々。
暗がりから這い出る泥のような影たちは、「彼を引きずり込め」と甘く囁きかけてくる。
けれど、触れてしまえば彼の命の灯火を奪ってしまう。
生者に触れてはならないという禁忌を胸に、私は彼が前を向いて歩き出すその日まで、闇から彼を守る防波堤になることを誓う。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!あなたが守りたい人はいますか
面白かった…という表現が適切かは分かりません。でも、面白かった。非常に奥の深いストーリーでした。
冒頭、不慮の事故で主人公の女性が、命を落とす場面から始まります。実感もないまま、ゆっくり生を失う様子が、巧みな描写によって描かれます。
彼女は、霊となって愛する彼の側にいるわけですが、彼に触れるのは「禁忌」事項なのです。しかし、その決意を揺るがすような悪魔の囁きを仕掛ける悪霊達。そこから彼女は、彼に対してどう向き合うのか。
愛しているからこそ、彼に対して彼女が最後にできることとは。
本当に人を想うこととは、どんなことなのだろう。そんな事を本気で考えさせられる、重厚かつ純度の高い美しいお話…続きを読む