概要
婚約者には捨てられた。でも私の針は、王妃に選ばれた。
「針仕事しかできない地味な女を、妻にはできない」
婚約者ヴィクトルにそう告げられ、妹リリアへ婚約者まで奪われた伯爵令嬢エレノア。
しかも父から命じられたのは――
「家を出るのは構わん。リリアの婚礼衣装だけは仕上げてから行け」
十年以上、父の礼服も、妹のドレスも、使用人の制服も。
エレノアは家族のために、すべて無料で縫ってきた。
けれど、その日初めて彼女は針を置く。
「もう、私が縫う理由はありません」
母の裁縫箱だけを抱えて家を出たエレノアは、その日のうちに偶然出会った“破れた王妃の式典ドレス”を修復することに。
誰にも直せなかった衣装を、わずかな時間で蘇らせた彼女を見ていたのは、王弟セドリックだった。
「君のそれは趣味じゃない。立派な仕事だ」
王宮へ招かれたエレノアは、や
婚約者ヴィクトルにそう告げられ、妹リリアへ婚約者まで奪われた伯爵令嬢エレノア。
しかも父から命じられたのは――
「家を出るのは構わん。リリアの婚礼衣装だけは仕上げてから行け」
十年以上、父の礼服も、妹のドレスも、使用人の制服も。
エレノアは家族のために、すべて無料で縫ってきた。
けれど、その日初めて彼女は針を置く。
「もう、私が縫う理由はありません」
母の裁縫箱だけを抱えて家を出たエレノアは、その日のうちに偶然出会った“破れた王妃の式典ドレス”を修復することに。
誰にも直せなかった衣装を、わずかな時間で蘇らせた彼女を見ていたのは、王弟セドリックだった。
「君のそれは趣味じゃない。立派な仕事だ」
王宮へ招かれたエレノアは、や
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