概要
サリーが呪文を唱えるたび、空の後ろで何かが動いていた。
うちのお姉ちゃんの上にだけ、違う空がある。
晴れの日は機嫌がいい。曇りの日は機嫌が悪い。子供の頃はそれだけの話だと思っていた。でも本当は逆だった——お姉ちゃんの機嫌が、空を晴れさせたり曇らせたりしていたのだ。
引っ越しを繰り返す一家、月曜七時のブラウン管、隣に越してきた男の子。わたしはノートに丸と罰を書きながら、姉の天気を読み続けた。
けれど、姉の周りに新しい誰かが現れるようになると、空はだんだん読めなくなっていく。晴れているのに降る雨。理由のわからない涙。何が姉を動かしているのか、わたしにはもう分からない。読めなくなった空の下で、それでもわたしたちは並んで立っていた。
昭和四十年代の東京を舞台にした、姉妹三部作。
晴れの日は機嫌がいい。曇りの日は機嫌が悪い。子供の頃はそれだけの話だと思っていた。でも本当は逆だった——お姉ちゃんの機嫌が、空を晴れさせたり曇らせたりしていたのだ。
引っ越しを繰り返す一家、月曜七時のブラウン管、隣に越してきた男の子。わたしはノートに丸と罰を書きながら、姉の天気を読み続けた。
けれど、姉の周りに新しい誰かが現れるようになると、空はだんだん読めなくなっていく。晴れているのに降る雨。理由のわからない涙。何が姉を動かしているのか、わたしにはもう分からない。読めなくなった空の下で、それでもわたしたちは並んで立っていた。
昭和四十年代の東京を舞台にした、姉妹三部作。