田舎の親戚の家ですごす夏。いとこ達との遊び疲れで寝込んでしまった語り手は、気がつけば誰もいない家のなかで一人きりで。風にのって聞こえてきた祭り囃子に誘われて、ふらりと山寺へ歩いてゆけば……。
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夏休みに。都合、田舎の親戚の家に逗留する事になった少年が見た、不思議な怪異譚。満天の星空に玄々とした深い山々。 美しい日本の原風景が目に浮かぶ。 日中、陽に当たりすぎたのか、それとも慣れない田舎での生活に身体が疲れたのか熱を出して、独り客間で眠る彼の耳に、楽しそうな笛や太鼓の祭囃子が聞こえて来る。 折しも、家の中は閑散として誰もいない。 山の神社のお祭りに行ったのかも。夏の夜の匂いが広がる。深い、そして黯々とした深い山々の中に 神社の祭の灯が笛や太鼓の音に、つい誘われて一人で家を抜け出して行く。静からの動へ。然しながらそれすらも幻の…続きを読む
神は遍在する、とは宗教学上でなくても我々の身近な生活においても、道端にある地蔵や道祖神を見ると手を合わせたり、ふと立ち寄った神社や寺の社に拝むものも含まれるであろう。この言葉と共に。「悪い事したら神さんが見てて罰当てるで」と……。主人公はとある奇祭のようなものに巻き込まれる形でそれを目撃する。それはこの世とあの世の狭間に落ちたかも知れない。しかしながら、『神は見ていた』根底にあるのは超常現象なのかもしれないが、これは一夜の夏の想い出も描かれた郷愁の物語とも言えよう。興味深く、面白い。是非、御一読を。
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