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概要
その背中を、一生忘れない。-現代×神話×じれ恋愛の対怪異譚-
——その背中を、きっと一生忘れない。
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夜気は、肌を刺すほど冷たかった。
浅い呼吸を繰り返すたび、喉の奥がひりつく。
肺が痛い。
制服の袖は鋭く裂けていた。
逃げなければならない。
そう分かっているのに、立ち上がれない。
視線の先。
闇の中で蠢く“それ”は、この世のものとは思えなかった。
黒い泥のような何か。
輪郭すら曖昧なまま、無数の眼だけがぎらついている。
耳の奥を引っ掻くような異音を撒き散らしながら、ゆっくりと、確実にこちらへ迫ってくる。
見えてはいけないもの。
見えるはずのないもの。
——なのに、私には見えてしまう。
怖い。
唇が震える。
声も出せない。
その時だった。
「下がれ」
静かな声。
鋭いわけでも、大
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