概要
竜を殺す嘘だけは、つけなかった。
竜が死ぬ夜、世界には雪が降る。
それは祝福ではない。竜の骨が灰となって降る、葬送の雪だった。
王都リュミナスの大聖堂で、施療院の下働きだった少女リリア・エル・ミゼリアは、救国の聖女として祭壇に立たされる。
命じられた役目はただひとつ。
王国最後の竜――始祖竜アルヴァレイトを殺し、その心臓を“浄化”すること。
けれど、リリアは聖女ではなかった。
奇跡など使えない。聖女のふりをして、丁寧な嘘で息をしてきただけの少女だった。
それでも、竜を殺すための嘘だけはつけなかった。
「私は、聖女じゃありません」
処刑台の上でそう告げたリリアは、竜の胸に打ち込まれた聖具《太陽釘》を砕く。
黒い炎が大聖堂を裂き、始祖竜は小さな黒竜の姿となってリリアの腕に落ちた。
その夜、
それは祝福ではない。竜の骨が灰となって降る、葬送の雪だった。
王都リュミナスの大聖堂で、施療院の下働きだった少女リリア・エル・ミゼリアは、救国の聖女として祭壇に立たされる。
命じられた役目はただひとつ。
王国最後の竜――始祖竜アルヴァレイトを殺し、その心臓を“浄化”すること。
けれど、リリアは聖女ではなかった。
奇跡など使えない。聖女のふりをして、丁寧な嘘で息をしてきただけの少女だった。
それでも、竜を殺すための嘘だけはつけなかった。
「私は、聖女じゃありません」
処刑台の上でそう告げたリリアは、竜の胸に打ち込まれた聖具《太陽釘》を砕く。
黒い炎が大聖堂を裂き、始祖竜は小さな黒竜の姿となってリリアの腕に落ちた。
その夜、
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