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概要
十年前に止まった家族の時間が、夏の写真館で動き出す。
大学生の藤代ひよりは、祖母が営む古い写真館を手伝うため夏休みに故郷の商店街へ戻ってくる。そこは、十年前に母が家を出ていった場所でもあった。倉庫の整理中、ひよりは古い家族写真を見つける。父、祖母、幼い自分、そして母。四人で並んで写っているはずの写真の中で、なぜか母の輪郭だけが少しずつ薄くなっていた。退色でも現像ミスでもない。しかも、母は家を出る前に何度も家族写真を撮ろうとして、すべてキャンセルしていた。母はなぜ消えかけているのか。祖母は何を隠しているのか。幼なじみの蒼に支えられながら、ひよりは十年前の夏に向き合い始める。エブリスタ主催、双葉社パステルNOVEL小説大賞応募作。
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