概要
俺は、誰かに必要とされたこと、たぶん、あんまりない。
死んだじいちゃんが、俺の頭の中で、まだしゃべっている。
■ 2089年、東京。
人は、死後、その記憶を結晶に残して、誰かに継ぐ。
その結晶を「メモリア」と呼ぶ。直径2センチほどの、青く透き通る六角柱。
死んだ人間の脳神経パターンが、その中に封じられている。装着すれば、装着者の頭の中で、死者は語り続ける。声をかけてくれる。叱ってくれる。夜中、隣で笑ってくれる。──故人の知識、技術、性格まで、装着者の中に流入してくる。
死は、終わりじゃない。
死者の記憶は、生者の中で生き続ける。
それが、この時代の常識だった。
ただし──ひとつだけ、決まりがある。
「3人まで」。
それを超えると、人は壊れる。
「マルチ」と呼ばれる、人格が混ざりすぎた状態。誰でもない誰かに、なってしまう。
それが
■ 2089年、東京。
人は、死後、その記憶を結晶に残して、誰かに継ぐ。
その結晶を「メモリア」と呼ぶ。直径2センチほどの、青く透き通る六角柱。
死んだ人間の脳神経パターンが、その中に封じられている。装着すれば、装着者の頭の中で、死者は語り続ける。声をかけてくれる。叱ってくれる。夜中、隣で笑ってくれる。──故人の知識、技術、性格まで、装着者の中に流入してくる。
死は、終わりじゃない。
死者の記憶は、生者の中で生き続ける。
それが、この時代の常識だった。
ただし──ひとつだけ、決まりがある。
「3人まで」。
それを超えると、人は壊れる。
「マルチ」と呼ばれる、人格が混ざりすぎた状態。誰でもない誰かに、なってしまう。
それが
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