※連載中の作品を、第4話まで読んだところでの感想です。
十五歳で異世界に飛ばされ、三十年戦って魔王を倒した男が、勝った直後に日本へ弾き飛ばされる。気がついたら空港のトイレの個室で、三十年ぶりに発した日本語が「酷い便秘で……!」。一話目でもう好きになりました。
しかもこの人、洋式トイレのレバーを引いて流れる水に感動しているんですよ。四十五歳。元勇者。
イベント屋として感心したのは、この主人公が現代のやり方を一切腐さないところでした。三十年のあいだに日本のダンジョン攻略はすっかり様変わりしていて、機械の力で身体能力を上げる装備まである。昔ながらの剣と魔法でやってきた人が見たら、鼻で笑ってもおかしくない。でもこの人は「面白いことを考えたもんだな」と素直に感心して、自分がいなかった三十年を戦ってきた若い連中に、ちゃんと敬意を払うんです。ここが本当に良かった。
あと、借りたビニール傘を壊してしまって、わざわざ持ち主のところへ謝りに戻るところ。強さより先に、そういうところで好きになります。
続き、楽しみにしています。