概要
言葉を失い見慣れた顔も消えた後、簡単な「愛してる」をどう伝える?
遊佐加奈の母は、重度の非典型失語症を患っている。
彼女の言葉は砕けた乱れた符号となり、この世にそれを解読できる者はもういない。
そのような母を見るたびに、煩悶、焦燥、困惑、悲しみなどの複雑な感情が、加奈を呑み込む。
母の語る言葉を、加奈は理解できない。
加奈が訴えようとしても、母もまた正しい応答を返すことができない。
病状は好転せず、もし母が一生このままだとしたら、加奈は目の前の彼女とどう向き合えばいいのだろうか。
かつて海の中を自由に泳いでいた人魚姬は、声を失ったあと、両足だけを頼りに砂浜をよろめきながら進む。
そして静かな大海へと身を投じた王子は、口からこぼれた一語一語が泡となってゆっくりと浮かび上がり、やがて海底へ沈んでいくのを見つめている。
やがて……
彼女の言葉は砕けた乱れた符号となり、この世にそれを解読できる者はもういない。
そのような母を見るたびに、煩悶、焦燥、困惑、悲しみなどの複雑な感情が、加奈を呑み込む。
母の語る言葉を、加奈は理解できない。
加奈が訴えようとしても、母もまた正しい応答を返すことができない。
病状は好転せず、もし母が一生このままだとしたら、加奈は目の前の彼女とどう向き合えばいいのだろうか。
かつて海の中を自由に泳いでいた人魚姬は、声を失ったあと、両足だけを頼りに砂浜をよろめきながら進む。
そして静かな大海へと身を投じた王子は、口からこぼれた一語一語が泡となってゆっくりと浮かび上がり、やがて海底へ沈んでいくのを見つめている。
やがて……
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!家族への愛情と葛藤の間でもがく息苦しさ、その先に見つける意味
世界観に没入していくうちに、こちらも息苦しくなったり、胸が痛くなったり、少し心が浮かんだり、温かさが沁みたりして、とても感情を揺さぶられました。
表現の仕方や文章の運び方がとても美しく滑らかで、読み進めるうちに主人公と一緒に場面を体験し複雑な心情に溺れていくような感覚にさせられます。
「人魚姫」という言葉で母と娘を繋げ、「言葉を届け合えなければ、王子は人魚姫がどれだけ自分を好きか分からないのではないか」という問いの答えを探す、この比喩もとても美しかったです。
作品を読んだあと、深くてシンプルな意味を見つけ、何か大切なものを得られたような気持ちになりました。