ありとあらゆる問題によって引き起こされた戦争、
そしてその大国同士が争う戦時下で繰り広げられる兵士たちの物語...と書けばガチガチの硬派なストーリーと思われがちですが、
その実、主人公から見たミクロな視点での戦争や暮らしの描写が書き込まれ、
読者を"TVの向こうの戦争"に置き去りにしない書かれ方が魅力的。
■良いところ
交わされる会話の中にも架空の国土に関する単語だけではなく、現実での構造物の説明、古の名曲や名バンドに有名な演劇...果てはゴシップ記事やブラックジョークなど、知っている人にはクスリとできるネタが盛り沢山となっており、読み手の引き出しに比例して没入感は更に上がります。
■今後が楽しみなところ
主人公であるメアリ・ステュアート一等兵は、少々"特殊"な家系の生まれなので、様々な感情を抱てながらも軍への入隊後、それなりに良い暮らしを...できておりません、一切。
よくある主人公補正はなく、基本的に振り回されますし、何かの不幸の代償は容赦なく払わされます。
泥中を転がり、霧をかき分け進まざるを得ない道ですが、これからの彼女の成長が楽しみです。
がんばれ、主人公...
アストリアに栄光あれ!
アイヒェンライヒに鉄槌を!
━━このプロパガンダに無条件で心が動かされますか?
であれば、軍はあなたを必要としています。
でも従うだけで戦火に身を焼かれる人形ではなく、一本の考える葦だというのであれば...
もしかすると、あなたも模倣部隊の一員になれるかもしれませんね。
しかしまあ、そんなに硬くならずに...紅茶でも飲みながら読むのがいいでしょう。