子供のころ。正月。空き地に獅子舞が来ました。近所の親子がたくさん、集まっていました。獅子の顔。つくりもの。なのに地面を踏む、のぞく脚は、人間のそれ。不気味でした。母親に頭を突き出されました。「噛まれると良い子になる」泣きながら噛まれました。怖かったけど、懐かしい記憶です。でもなんか、この獅子舞。そのころの記憶とは、ちがうような…。なんか、すごく、ちがうような…。気のせいでしょうか、私の。それとも口にしすぎたせいでしょうか…。
人気のない夜の商店街を、一人の男が歩く。かつての賑わいは遠い過去のもの。夜でなくとも、活気はすでにない。ワンカップ焼酎を片手に歩けば、酔いも回って気分よく鼻歌を歌う。そんな時、商店街の奥が明るくなる。賑やかな楽の音とともに現れたのは……。実際に目にすれば恐ろしくもあるだろうけれど、読んで想像するとどこか愉快でもありました。不気味さと幻想が入り混じる光景が印象的です。素敵な掌編です。ぜひご一読ください。
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