自分はホラーが苦手です。なんでこれを読んだかって?直感です。私の本に対する直感は大体当たるのでね。それはそれとしてこの小説は登場人物の性格やらなんやらが本当によくできていて登場人物の過去や関係性が結構奥深い。しかもコンビニ店員の霊障に対する解決策とか違うし本当に一人一人個性があって面白い。まぁ主人公だけはなんも対策できて無いし思いっきり振り回されてるけど。最初はただの(?)ちょいマイルドめなホラーで話が進むにつれてだんだん主人公が曇っていく。でも最後の方で晴れる時に本当に感動した。ホラーが苦手、ホラー初心者、感動系が好きな人は読んだほうがいいと思った作品。個人的に続編というよりも登場人物達の主人公に対する気持ちだったり後日談的な話があったら嬉しいなぁ……なんて。笑
「自殺の名所・樹海の中心にある曰く付きのコンビニ」。このあまりにも不穏で、それでいてどこか引き込まれるキャッチコピーに惹かれて読み始めましたが、またたく間に世界観の虜になり、全111話を一気に駆け抜けてしまいました。主人公の袴田政宗は、高い時給に釣られて夜勤バイトを始める25歳のフリーター。彼は幽霊を一切信じていなかったはずなのに、働き始めた直後から「ひとりでに開く自動ドア」や「防犯カメラに映る奇妙な人影」といったリアルな怪異に次々と見舞われることになります。本作の素晴らしいところは、ホラー演出としての「背筋がゾワッとするような緊迫感」が非常にハイクオリティである点です。夜のコンビニという、誰にとっても身近な空間だからこそ、そこで起きるオカルト現象が不気味に、そして生々しく胸に迫ってきます。しかし、そんな恐怖を極上のエンターテインメントへと昇華させているのが、主人公と共に働くあまりにもクセが強すぎる先輩スタッフたちの存在です。屈強なオネエ、ガチの腐女子、そして無口なイケメン能力者――。文字通り一筋縄ではいかない強烈な個性のメンバーが集まっており、怪異を前にした彼らのコミカルな掛け合いやチームワークには、何度もクスッと笑わせてもらいました。ホラーとしての怖さと、バイト仲間たちの織りなすドタバタコメディのバランスが本当に絶妙で、読者を飽きさせません。そして物語が終盤に向かうにつれ、ただの「お仕事×心霊モノ」では終わらない、深く切ない人間ドラマへと変貌を遂げていきます。主人公がなぜこの店に“招かれた”のか、そして過去の因縁や「お客様(霊)」たちが抱える未練が明かされるパートでは、ホラー小説であることを忘れて不覚にも涙してしまいました。恐怖あり、笑いあり、そして最後には温かい感動と救いが待っている素晴らしいヒューマンドラマです。カクヨムのホラー作品の中でも間違いなくトップクラスに推せる名作として、文句なしの星3つを贈ります!
時給の高さに魅かれ、主人公の袴田がアルバイトの面接を受けたのは、樹海のそばにあるコンビニでした。シフトは深夜。新人は一週間程度で辞めてしまうという理由の一端を、袴田は勤務初日から味わうこととなります。そして一週間後、逃げ出したくなりながらも彼は夜勤のバイトを続ける決意をします。その決断の裏にあるのは、意地か、責任感か、それとも――?
24時間365日まぶしすぎるぐらい明るいコンビニ。深夜、街灯の少ない道を歩いていても、遠くにコンビニが見えるだけでホッとしますよね。そんな安心の砦ともいえる場所が樹海の近くにあるとホラーの舞台へと変化します。自動ドア、ATM、防犯カメラのモニタ。あんまんさえも恐怖の彩るアイテムとして活躍します。そうしたコンビニおなじみのものだけでなく、この作品に色を与えるのは、何といっても個性的な登場人物たちでしょう。誰もが主役級の個性を放ちながら、物語の枠に押し付けられることもなく、きちんと寄り添っています。特に9話~12話に登場した二人組は「筆者の別の作品の登場人物かな?」と勘違いし、作品を探してしまいました。
息を細めるような恐怖とほろ苦い後味、幕間の笑い、寂しい気もするけれど晴れやかな読後感。そんな魅力たっぷりの作品です。