概要
朝顔が咲く柵の隙間から彼の姿を覗き見ていた。
私は朝顔が美しく咲く柵の向こうの彼と一年を過ごした。彼は、裏に住む人から果物をよくもらう。教室の金魚が殺されて、斉藤が犯人だと噂になった。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!これは完全にアクシス
本作はですね、筆者真白さんの自主企画「第四回真白賞」にみずから参加されている作品なのですよ。
まあ、それ自体はまったく問題ありません。
なにが問題かって、お題が「『アクシス』という語を作中に使用すること」なんですよ。
アクシス……?
日本人の9割が初めて耳にする単語、アクシス。
Guns N' Rosesのヴォーカルがたしかそんな名前だったような……?
いや、『逆襲のシャア』のアレのことか?
今回こそはと真白賞を狙うベテランも、虎視眈々と下剋上を目論むルーキーも、等しく地獄へと叩き落とす鬼お題「アクシス」
それでも、不屈の作家たちは諦めなかった。
内心(これアクシスか?)と…続きを読む - ★★★ Excellent!!!朝顔がとても強いモチーフになっている
この話の一番いいところは、朝顔が単なる季節の小道具ではなく、作品全体の精神を支える象徴になっているところです。
朝顔は「咲く/閉じる」「鮮やかさ/儚さ」「螺旋/軸」といった複数の意味を背負っていて、子どもの紀子にとっては宇宙の片鱗であり、大人になった紀子にとっては自分の生を見つめ返す鏡になっています。
最後に「アクシス」と朝顔の螺旋がつながるのも綺麗です。説明しすぎず、それでいてテーマがぼやけていません。
冒頭の
「蝉の合唱。膨張した空気。日に焼けた手の甲と手のひらの境目の不気味さ。汗の臭い」
この入りでもう、感覚の記憶を掴みにいく話だとわかります。
全体に、比喩や情景が過剰になりすぎず、…続きを読む