甘いものが好きな女王様。 それは、優しさじゃなく“終わり”の味でした。

最初は、少し不思議で可愛らしい童話のように始まります。
甘いお菓子が大好きな女王様と、それを心配する周囲の人々。
チョコレート、蜂蜜、角砂糖。
どこか微笑ましくて、安心して読める雰囲気です。

でも、その「甘さ」はだんだん違和感に変わっていきます。
なぜ、そこまで甘いものに執着するのか。
なぜ、止める人がいないのか。
読み進めるほどに、静かな不安が積み重なっていきます。

物語は派手な展開をしません。
けれど終盤、すべてが一本の線でつながった瞬間、
背中に冷たいものが走ります。

誰が悪だったのか。
誰が一番残酷だったのか。
答えははっきり書かれていないのに、読者には伝わってしまう。
最後の一文が、とても静かで、とても怖い。

童話の顔をした短いホラー。
甘さの裏にある毒を、こんな形で描くのか、と唸らされました。

軽い気持ちで読めるのに、
読み終わると、甘いお菓子が少し苦く感じます。