いとしネイロ
みぃ
だんだんつよくなる
neiro
窓を開ければ夜の帳が静かに明け
世界はゆっくりとその目覚めを告げる
きこえるのは鳥たちのさえずり
まるで合唱団が
指揮者の合図を待っていたのかな
一斉に朝の旋律を奏で始める
遠くから近くへその歌声は広がって
新しい一日を祝福しているかのよう
次いで
新聞配達のバイクが通り過ぎる音
それは規則正しくしかし存在感あらわに
日常の始まりを告げる
やがて遠くから聞こえてくる電車の音
ガタンゴトンと
それはまるで人々が動き出す足音のように
それぞれの物語を乗せて朝の街を走り抜けていく
そして 聞こえ始める
家族の気配
キッチンから漂うコーヒーの香り
小さなスプーンがカップの縁に当たる
カチャカチャ という優しい音
朝の音色は静かにそしてゆっくりと
世界に色を塗り重ねてゆく
それはけして
特別な音ではないけれど
私たちが生きているこの世界が奏でる
最も美しいハーモニー
いとしネイロ みぃ @miwa-masa
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