いのちをめぐる、『大人の童話』

未来技術の祭典を舞台に、病に倒れた母を救いたいと願う少年・湊の心を描いたファンタジー作品。

人工心臓や3Dプリンタの食べ物、未来の自分との遭遇といった夢のような展示と、不思議な化物との冒険を通して、「命」や「家族」について深く問いかけます。

「命とは何か」、「人はどこまで人を救えるのか」。
未来技術によって再生された母が、言葉では伝えきれない“愛”を涙で語る場面は胸を締めつけられました。
湊はただ奇跡を願っていたわけではなく、“癒えない現実”と向き合うことで、本当の意味での成長を遂げていきます。

テクノロジーがもたらす希望と、人の心が抱える痛み。
子供にも大人にも響く“未来”と“いのち”の物語を、ぜひ読んでみてください。

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