作者さまの歴史短編、傑作のひとつかも。初話からの〆がスゴいです

源義経の鵯越えを題材にした短編。

義経が何を狙ったのか?
冒頭の興味の惹き方からの、過去話の流れが素晴らしいです。
〆のおもしろさを予測しながら、どう繋げるかも楽しめます。

義経のキャラクターも、「こういうイメージ、あるよね!」と、私にはシックリくるものです。
『鎌倉殿の十三人』の義経も演者さん自身のイメージと合致してて好きだったんですが、文章にすると、本作のほうが義経っぽさ。
牛若丸っぽさがあっていいなと思います。

そるがまた、会話文から滲み出る感じも素晴らしいと感じました。

最後に絶妙だなぁと思ったのは、平家方ですね。

>双方ともに理があり、利がある。

意見が割れる表現といい。
盛者必衰感が出ており、実は宗盛の話だったんじゃないかと、思ったりするんですよね。

たった4話しかないのに、敗北する側にも、存分な魅力がある作品だと思いました。

サクッと読めて、おもしろい。
ほぼ全作そうですが、これはスゴいです。

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