概要
青い日々、あの日の恋をきっとふたりは忘れることなんてなかった。
ふいに聴こえた歌声は、奈津子にとおい恋の記憶をよみがえらせた。初恋でもなく、最後の恋でもない。だけど忘れられない高校時代の恋。奈津子は同い年の女の子に恋をしていた。同じ教室で過ごしたことはなかったけれど、登下校の時間を、昼休みを、放課後を、ふたりきりで過ごした。まるでその恋が世界のすべてだとでもいうような、ひどく幼い恋だった。はじまりなんて曖昧で、終わらせることもなく置いてきたとおい恋の記憶。振り返るには遅すぎて、だけど、願うくらいは許されるだろうか。
ひとりきりの部屋はほんの少し寒くて、隙間風ばかりの小さな部室に似ていた。だけど隣にあなたはいなくて、ギターの音も歌声もない。卒業してからあなたを思い出さなかったと言えば嘘になる。いつでも想っていたわけじゃない。でも、あなたに恋をしていた日々
ひとりきりの部屋はほんの少し寒くて、隙間風ばかりの小さな部室に似ていた。だけど隣にあなたはいなくて、ギターの音も歌声もない。卒業してからあなたを思い出さなかったと言えば嘘になる。いつでも想っていたわけじゃない。でも、あなたに恋をしていた日々
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