概要
私の名はベルゼブブ。最強の悪魔と謳われた1人だ。
幼い頃、誰よりも強かった父の背中を追いかけていた竜胆大牙。
だが世界戦で父は敗れ、重い障害を負った。その瞬間から、大牙の中でボクシングは「夢」ではなく「傷」になった。
それ以来、リングもグローブも遠ざけ、ただ平凡で退屈な日常を選んできたはずだった。
──夏休み、彼女が帰ってくるまでは。
幼馴染にして、アマチュアボクシング日本王者となった滝川飛香。
幼い頃から共にグローブを交えた彼女は、久しぶりの再会で「スパーリングしよう」と微笑む。
しかし、その瞳の奥には、かつての彼女ではない影が潜んでいた。
飛香は“悪魔”と契約を交わし、強さの代償にもうひとつの人格を宿していたのだ。
悪魔は彼女の記憶を通じ、大牙へと奇妙な執着を抱きはじめる。
やがてスパーリングは戦いを超えた「選択」の場へと変わり
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