始まりのフォアカード 1-3
3.アルベイラー氏の場合
リビングに朝の日差しが緩やかに注ぎ込んでいる。
スーツを着ているがまだノーネクタイ姿で、あくびを噛みしめながらシュルド・アルベイラーはリビングにやって来るとキッチンの妻ペリシアにキスしながら朝の挨拶をする。
「おはよう。カルランはどうした?」
「まだ寝ているから、ベッドよ」子供はまだゆりかごの中だった。「タロが見てくれているわ」ハウスロボットの名を彼女は告げた。
彼がテーブルに着くと、シュルドの前にはソーサーに乗った珈琲カップが置かれ、ドリップしたてのコーヒーが煎れられる。
すぐにキッチンに戻るとペリシアはトーストを焼き始め、手際よく片手で卵を割りスクランブルエッグを作り始める。
「そうか。ではカルランに挨拶してから出社しよう」
「あら、挨拶だけ? 私は送ってくれないの?」
「君が抱きかかえれば息子も起きるだろう。そうすれば保育施設まで送れるし、第三ビルまで行くのも問題ない」
「いつ起きてくれるかは分からないのに」
おかしそうにペリシアは笑った。
焼き上がったトーストを半分に切り、その上にスクランブルエッグを乗せて、フライパンで焼き色を付けたウインナーソーセージを添える。出来上がった朝食の皿を自分と夫の前に置くとペリシアは席に着き祈りを捧げる。シュルドはその様子を見つめ、ペリシアの祈りが終わるとトーストを手に食べ始める。
「うん。今日の卵も絶品だ」
トロトロの卵を乗せたトーストをおいしそうにシュルドは頬張った。
「ありがとう、嬉しいわ。今日もいい献立が出来そう」
「それなんだが、まだカルランは乳飲み子なんだから、何も君が働きに出なくてもいいだろう」
「またその話ですか。あなたがいつでも働きに出て良いって仰っていたではありませんか」
「そうなんだが……ペリシアも大変だろうし、もっと子供に愛情を注いでやってもいいんじゃなかろうか」
妻は出産後一年して、仕事先を探してきた。
現在、ジプコ第三データ処理部の入るビルの社員食堂で九時から十四時まで働いているのである。仕事の様子などを嬉しそうに話す妻の姿は眩しく働くことで人とつながれることに喜びを感じているのが分かり、これを認めたことはよかったと思ったが、それで家庭や育児に負担を掛けているのではと思うと割り切れるものではなかった。
ちゃんと育児を手伝っているが……妻の方に負担が大きく掛かっているのではと感じてしまうのである。
「あなたは本当に過保護ですね。私にもカルランにも。それに料理人としての私は天職だって言ってくれたではありませんか?」
「言ったけどな。まさかうちの社食で働き始めるとは思わなかったんだよ」
苦虫を噛み締めるように眉間に皺を寄せシュルドは言う。
分かってはいるが、育児の苦労話も知っているのであまり無理はさせたくないという思いはあった。ただペリシアの料理にかける情熱や想いも知っているから強くは言えない。これは彼女に結婚を申し込んだ時から心に決めていたことである。
ペリシアの夢と想いを守り支援すると。
「リハビリのようなものです。自分のお店を持つのも良いですが、社員の方々の笑顔を見るのもすごく楽しいのです」
「ペリシアがそう言うのならいいが」
「感謝しますわ」
二人はゆったりとした空気の中、朝食を楽しんでいる。
「今日は帰りが遅くなる」
「あら珍しいですね」
「オガワさんに誘われてね。遅かったら先に寝ていてもいい」
「何かまたしでかしたのですか?」
オガワとは直接会ったのは二回しかないが、仕事でトラブルがあった際によくフォローの連絡をくれるとても良い方だった。ただ連絡が来るのはすべて異動や何らかのトラブルがあった時であったため、何かしら起きたのかとペリシアは心配げに夫を見つめてくる。
「何もしていない」多分と心の中で付け加える。「いつものように飲みに誘われただけだ。今後のこともありメンバー全員で顔合わせしたいという話なんだよ」
「顔合わせです?」
「まだ内々な話だが、新部署と新事業立ち上げになったようだ」
「それにオガワさんとあなたがかかわるというのですね。目出度いことであればお祝いしないといけませんね」
シュルドの目を見ると楽しそうな感じが見て取れたのでペリシアはホッとする。
食べ終わるとペリシアは立ち上がり食器洗い機に皿を入れるとエプロンをとって寝室へと入っていった。
ペリシアの支度が出来るまでシュルドは眼の前に展開したモニターに映し出された銀河系のニュースから必要だと思えるものを検索して順次流していった。
戻ってきたペリシアはカルランをシュルドに預けるとセキュリティチェックをしていき、彼はといと息子をやさしく抱いてキスの嵐を浴びせていた。その様子を微笑ましくペリシアは見つめ、仲睦まじく家族はエアカーに乗り込むのだった。
シュルド・アルベイラーはどこまで行っても、愛妻家であり子煩悩で家族想いである。
前開発部第三課の社屋に入るとシュルドは自分のディスクに向かう。
明るい通路に彼の靴音だけが響く。シュルドはネクタイを少し緩め黒縁のサイバーグラスを掛けながら、早速これまでの作業状況を確認していった。事務室へ入ると応接用のソファで寝ているパーンに声を掛けた。
「おはよう。よだれが出ているぞ」
「いつのまにか寝ていたようです」
目をこすりながらパーンは起きだした。
「よくセキュリティに引っかからなかったな」
「この部屋だけ外してありますから」
寝ぼけ眼をこすりながら、とんでもないことを言ってのけていた。自社製品のセキュリティシステムに穴があると言っているようなものなのである。
「トイレはどうした?」
「水分は控えめにしていましたし、代謝も抑えています」
「人ならざることを言っているな」
シュルドはスーツのポケットから小さめの珈琲缶をパーンに放り投げるとカバンから箱を取り出してソファに歩いていく。
「照れますね」
「褒めてない」
きつく言うと箱をパーンに渡した。
「いつもすいません」
蓋を開けるとサンドイッチが入っている。野菜を中心にバランスが取れたものであった。
「気を抜くと何も飲み食いしないからな。もっと自分に気を遣え」
「これシュルドさんが?」
「妻に作らせた。状況はどうなっている?」
「第三書庫の分類とデータ処理が終わりました」
「少し遅れているな。ノルディックはどうした?」
「昨夜遅くまでやっていました。出社はギリギリではないでしょうか」
「時間かけすぎだな。手を抜いているんじゃないだろうな」
「そんな訳ないじゃありませんが、全員がシュルドさんではないんですよ」
「お前もだ。パーン。人のことは見ていても自分のことは全く見ていない」
「そうですかね」
「泊まり込みで作業して、一人で背負い込んでいてもロクなことにならないぞ。作業効率も悪いし、身体にも良くない。寝ないと成長が止まるぞ」
「それは困りますね。どうも僕自身は世代の平均身長よりも低いですから」
「よく寝て、栄養あるものをちゃんと食え」
「分かりました。お父さん」
「気色悪いから止めろ!」
「こうしてちゃんと面倒見てもらっていますのでそう呼んだだけですが?」
「まったく口が減らないやつだな」
「思ったことをそのまま口にしているだけですが、変ですかね?」
「子供らしくないんだよ」
「まだ常識的なことが分かっていない部分もありますから、パパが教えてください」
「誰がパパだ! パーンと話をしていると見た目と言動が合わないんだよ」
「それはすいません。それからごちそうさまでした。奥さんによろしくお伝えください」
「食ったら寝ろ」
「仕事しますよ。まだ終わっていないものもありますから」
「私がやっといてやる」
「ありがとうございます。それでは僕は第五書庫の方をやりますね」
「おい! そうじゃなくて休めって言っているんだ」
「これが終わったら休みます」
ソファから立ち上がってパーンは事務室から出ていこうとすると、扉が開きノルディックが元気のいい声を上げ、礼儀正しく挨拶して室内に入ってこようとしていた。
「おい、ノルディック、パーンを捕まえろ! 殴ってもいいから気絶させて寝かしつけるんだ」
咄嗟の声にも関わらずノルディックは反応してパーンを捕まえるが、シュルドの指示についていけず強く押さえつけていなかった。
その隙を逃さずパーンは腕の中からすり抜けて、扉とノルディックの間に出来た狭い隙間をいとも容易くすり抜けて走り去っていくのだった。
「ラットよりもすばしっこい奴だ」
栗色の整えられた髪に手を当てシュルドは頭を抱える。
「何があったんです?」端的に状況をシュルドはノルディックに伝える。「またですか……確かに休養は必要ですが、ああいった時のパーンは捕まえられませんからね」
「分かっているが、あのクソ餓鬼は」
毒を吐くシュルドに、ノルディックは肩を竦めるしかなかった。
自分の机にノルディックは腰を下ろし端末を開くと、すでにパーンからデータが送られていた。その出所を探れば彼の居場所は分かるかもしれないが、探ろうとすれば場所を変えて作業をするだけだろうし無駄だろう。
シュルドもそれが分かっているから、無理に追いかけることはなかった。
自分の仕事に集中することにする。
「オガワさん、お招きありがとうございます」
パーンが代表して私に礼を言ってくる。ノルディック君は高級料亭が初めてなのだろう落ち着かない様子で居住まいを正している。シュルド君とは何回か来ているから彼は余裕がありそうだ。
私が贔屓にしている『甲月亭』は高級料亭であるため、主に接待で使っていた。『甲月亭』はバナスシティの中心部官公庁街に隣接するアーケード商店街の一角にある純和風木造二階建ての料亭である。広い庭園があることでも有名だが、料理も酒もうまいし私のお気に入りである。
今日は目出度いこともあり、懇親会もかねて三人をここに招いている。
「オレ、こんな店初めてですよ」
畳が敷かれた和風の部屋をキョロキョロと見回す興奮した姿が初々しく見えてくるほどで微笑ましい。
「少しは落ち着け、二人とも餓鬼みたいだぞ」
シュルド君はパーンとノルディック君を睨みつけ言った。
「だってこの庭と部屋を見たらやりたくなるじゃないですか。ジャポニズム時代劇を」パーンは楽しそうに言うと隣のノルディック君に箱があるようなジェスチャーをして畳に手を付き土下座のような姿勢で頭を下げる。「お代官様、これをお納めください」
隣に座っていたノルディック君もパーンに向き直ると「なかなかの黄金色の菓子よのう」とノリよくアドリブで返していた。だいぶセリフもニュアンスも違っているが。
「私は相撲が大好きでね。こういった和風の物も好きなんだよ。それにしても仲が良いんだね二人とも」
「ノルディックの返しが良いんですよ」
「すいません。よく乗せられます」
「こいつらは口を開けばボケと突っ込みばかりだ。よく飽きもせずにと思うよ」
「シュルドさんもそんな風に見ているんですか?」ノルディック君は思いっきり肩を落とす。「確かにパーンには良くはぐらかされたりしていますが、本当にこいつは真面目に答えてくれないんですよ」
「ノルディックは乗りが良いですから、つい」
パーンが口元に笑みを浮かべていると、彼の後頭部に張り手が飛ぶが、ノルディック君の大きな手をパーンは上手くかわす。
「頭がはじけ飛びますから、止めてくださいよ」
「かわしておいてよく言う」
ノルディック君は日本酒をコップ酒にして飲んでいた。酒は強そうである。
「このテーブルだってノルディックなら簡単に真っ二つですよ」
「木目調だけれど金属製だぞ。割るなんて無理だ」
「それでもへし折るくらいするでしょう? やってみてくださいよ」
自信ありげに言うパーンに私は呆れてしまっている。
「誰がやるかよ。そんなことやったらテーブルだけでなく室内もぐちゃぐちゃになってしまうだろうが、弁償するのはオレだぞ」
「つまらないな。いくらになるか知りたくないですか?」
終わりそうにない二人の掛け合いが続いていく。
「こんな漫才コンビは放っておいた方が良い」
「そうかな。シュルド君もパーンとは仲が良いように見えるが?」
「よく面倒見てもらっています」
甘えるような声でパーンはシュルドに言う。
「こいつが不精しすぎるせいでたまに食事を与えているだけですよ」
「パパ~」
「私は妻も子供いる。お前みたいなのは知らん」
「つれないですね。オガワさんどう思いますか?」
「本当に仲が良いとしか言いようがない。楽しいから酒が進むよ。パーンはジュースで済まないが」
「未成年に酒は進められませんからね」
「もっともだ」私は盃を持つと腕を前にして盃を掲げる。「顔見世もあるが、この四人の前途に乾杯!」私は何度目か分からないが、乾杯してお猪口の日本酒を飲み干す。「円満に事を進められそうで安心したよ」
私は隣のシュルド君の肩を叩く。
パーンは日常とは隔絶した幼少期を送り、いまだ詳しくは語ってくれないが、現状に至る運命とも言っていた体験をして今があるとだけは教えてくれた。その記憶と体験は地獄の窯にでもふたをしている状態なのかもしれない。
それ故に今のパーンを見ていると心許せる面子に出会えたのではないかと、私は涙ぐんでしまいそうになる。
前菜を皮切りに、次々と料理が運び込まれてくると、私は追加で酒を頼む。
「この漫才コンビとは一緒にしないでほしいですね」
あからさまに顔をしかめつつシュルド君は言う。
「漫才なのかな」そういうとパーンとノルディック君は顔を見合わせる。
「オレの方がパーンにおちょくられているような感じですが」苦笑交じりにノルディック君は言う。「パーンはオレもシュルドさんも、『同系』列で、接してきますからね」
「そんな訳ないじゃないですか、人を笑わせるとか」
一瞬パーンが何を言っているのか理解出来なかったが、ノルディック君はすぐさま突っ込んでいた。
「それは『道化』だ」
「おかしいな。じゃあ邪魔だ」
「『どけ』じゃねぇよ! 同系列という話からどうしてそうなる?」
「こんな感じでノルディックのノリが良くて助かっています」
ノルディック君はやってしまったと頭を抱え、パーンは笑みを浮かべていた。
「目上という概念はこいつにはありませんからオガワさんも気を付けてください」
「オガワさんには敬意を払いますよ」
「腹立つやつだな」
シュルド君の言葉にノルディック君も頷いている。
「パパをこんなにも慕っているのにですか」
「こんな可愛げのない餓鬼に、今だけ愛想よくされてもな、不気味なだけだ」
「それでも面倒は見るのだろう? シュルド君は子煩悩だもんな」
彼らの会話に酒が進んでしまう。
「子煩悩? そんなにですか?」ノルディック君が奇異な目でシュルド君を見ていた。「普段はそんなそぶりも見せませんからね。うちの師匠は」
「君もシュルド君を慕っているようだね」
「プロフェッショナルなところは認めていますし、尊敬しています」
「それなら安心して私も参加できるな」
「パーンの面倒はオガワさんに任せますよ」
そっけない口調でシュルド君は言って来た。そんな彼をノルディック君は興味津々見つめている。
「ノルディック君は興味あるかね?」
「ああいや、シュルドさんが子煩悩で愛妻家だと初めて聞いたので。知っていたかパーンは?」
「何回か家族写真を見せられていました」
のろけ話の一つや二つしていそうだと私は思った。
「ノルディック君にも見せてあげたら」
「まあいいですよ」
シュルド君はタブレットを引っ張りだすと、ノルディック君に妻子の写真を見せていた。
画面に映しだされた映像は解像度が良すぎてうぶ毛まで見えそうで、そこに写る女性は同じプラチナブロンドの子供に微笑みかけている。髪の毛は短く切りそろえていて、あごのラインは鋭角的で体つきもほっそりしていた。
「うわっ、すごい美人!」
「でしょう。ノルディックと同い年ですよ」パーンは笑う。
「うそだろう!」驚愕し彼は眼を見開いていた。「どう見たってシュルドさんと同い年くらいに見える」
「実際には銀河歴で十一歳ほど離れているよ」私は付け加えている。
「これくらいの年の差婚なんて普通だろう」シュルド君は日本酒を口にしながらボソリと言った。
「それでも三十路近くの男が十五歳の成人したての少女に求婚して結婚するのは稀だと思うがね」
「年齢からみればロリコンと言われても仕方がないですよね」
私の言葉に更にパーンが突っ込みを入れてくるのがおかしかった。
「黙っていろパーン。ノルディックも笑うな。もう教えないぞ」
「そ、それは勘弁してください」
怒り心頭に見えるシュルド君にノルディック君は土下座しなから謝っていた。
「いい師弟コンビだね」
「シュルドさんには教えて貰ってばかりです」とノルディック君。
「私も教えてもらおうかな」
「御免こうむります」
「つれないでしょう」パーンは笑った。
「そうだな」私はパーンに向かって笑みを浮かべる。「そういえばペリシア嬢は、今社食で働いているそうだね」
「働かなくてもいいと言っているんですが、料理が好きなようで」
「実はねノルディック君。この甲月亭でペリシア君が料理人を務めていたんだよ」
結婚してしばらくすると甲月亭にスカウトされて、下働きからトップにまで数年で上り詰めていた。
「ものすごい料理人だったんじゃないですか!」
「たまたま才能があっただけだし、妻の努力の賜物だ」
「美味しい料理が食べられっていうのはうらやましい限りですね。TDFは本社からも商店街からも離れているから、社食があったら嬉しいです」
「ノルディック、それは良いアイディアですね。オガワさんはどう思われます?」
パーンは眼を輝かせている。
「一考の余地があるね」
「妻を勧誘するつもりか? 勘弁してくれ」シュルド君は頭を抱えている。「この話は終わり、終わりにしてください」
「照れなくてもいいですよ」とパーン。
「餓鬼が大人をからかうな」
「からかっていませんよね」パーンは私とノルディック君に同意を求めてくる。
孤立しがちな二人を支え結びつけようとしているように見え、この少年が頼もしく見えてくる。
シュルド君の毒舌にしても、それは相手を図るためのものであると感じている。それで傷つく者や心折られる人も出てくるかもしれないが、それで砕け散ってしまうのであれば、この先やっていけないのだと考えているのかもしれない。冷たいと思われるかもしれないが。
彼は自分にそれでも向かってくる者を見捨てていないし、手を差し伸べているのも事実だからである。
今シュルド君を師と仰ぐノルディック君もそうなのだろう。
良い関係が築けそうだと私は感じ、嬉しくなっていた。酒が進む。
『酒は飲んだら飲まれるな』
これはオガワが飲みに行った時によく言う口癖だった。
彼を知る者なら耳がタコになるくらい聞かせられている言葉である。
そう言っている割に彼はよく正体不明になるまで飲んでしまう。甲月亭からさらに二次会三次会へと梯子酒をしてしまっている。
パーンまでもそれに付き合い、酒にではなく雰囲気に酔いながら、その日は日が変わるまで祝宴は続くのであった。
余程楽しい酒宴だったのだろう。シュルドはかなり深酒をしており足取りも怪しく帰宅する。ペリシアは呆れながらも夫が帰ってくると背広が皺にならないように脱がせ、水を飲ませるとベッドに寝かしつけるのである。
天翔けるサラリーマン 無海シロー @Mukai-Siroo
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