誰か俺の頭を壊してください

Unknown

【本編】

 最初に言っておきたいのだが、俺は、このエッセイを酒に酔った状態で全てがどうでもいい状態で書く。だから面白くないぞ。


 俺の私生活に興味がある奴なんて居ないと思うが、俺は1Kのアパートに一人暮らしをしている28歳の男だ。毎日ひとりぼっちだ。もうすぐ一人暮らしを開始して4年目に突入する。来月には29歳になる。「やばい。精神面が高校時代から何にも成長してない」という危機感を覚えている。


 最近の俺の願いは「彼女が欲しい」という点なのだが、客観的に見て俺に彼女ができる確率は非常に低いと言わざるを得ない。まず俺自身が自分のことを幸せにできていないので、他人を幸せにできない。あとデブで金がない上にアルコール依存症でタバコも吸いまくる。しかも精神疾患だ。更には前髪も薄くなってきており、はっきり言って絶望しか無い。俺の人間性が糞なのは周知の事実だと思うが、容姿に関しても糞へのロードを進んでいる。ギターだって、弾けないくせに弾いて歌っている。


 さようなら。バイバイ。希望に満ちた未来よ──。


 こんにちは。よろしく。絶望に満ちた未来よ──。


 俺は在宅の作業所で働いている。それでも毎日シャワーは浴びようと思う。仕事中は酒を飲むのは辞めようと思う。そのくらいの努力しか今は出来ない。


 結局俺は酒に回帰してしまった。何度も何度も本気で酒を辞める度に、何度も何度も本気で酒を飲みたくなる。断酒を続けられる人は、俺から見ると良い意味でどうかしている。シラフで生きていけるほど俺の心は強くなかった。ああ。すべて終わりだ。また終わりだ。何度終われば気が済む?


 俺はアパートに住んでいる。でも、どこにも帰る場所が無い。いつも宙ぶらりんだ。10代の頃から今に至るまで俺は彷徨い続けている。「人生」というぼんやりとした檻の中で、ふわふわと揺れ動いている。


 俺が帰る場所なんて、一か所しか無いように思えるが、そこに帰るのは本当の最終手段だ。俺はふわふわと幽霊のように生きていくだろう。


 言葉が何も出てこない。


 今は首を吊ろうなんて思わない。電車に轢かれたいとはたまに思うが、思わないようにしている。


 かといって、生きたいのかと言うと真逆だ。早く死にたい。


 ブロンをきめたアホなメンヘラ女が俺に「愛してるよ。大好きだよ。結婚しようね」と言ったのも今は昔。ちなみにシラフになった彼女は翌日に謝罪をしてきた。「昨日はテンション上がりすぎちゃった! 私のこと嫌いにならないで!」と言ってきた。俺は結婚したかったけど、彼女の発言がどうやら一時的な嘘だったみたいだ。俺はどうでもよかった。ちなみにその子との縁はもう切れた。


 誰か結婚しようぜ。どう転ぼうが面白いから。


 だんだん俺の頭が壊れていって、自分が壊れているという事すら認識できなくなった。お酒をもっとください。俺の頭をもっと馬鹿にしてください。俺を壊してください。俺を壊してください。俺は死にたいんです。消えてしまいたいんです。だんだん頭が壊れてく。


 もう何もかもどうでもいいんです。


 だからどんな説教も、俺の頭から風が吹いて消えていく。


 ねえ、もう全てがどうでもいいね。でも、俺たちの人生は続いていくみたいだね。俺は明日もこの1Kのアパートにいるのだろう。もしくは、精神科に入院しているかもしれない。親の意向で。


 もう全てがどうでもいいね。


 誰が死んだとか、誰が生きてるとか、なんかもうどうでもいいや。


 みんな死んでも、消えても、俺の心の中でみんな生きてるからな。


 みんなの心の中で俺が少しでも生きていたら嬉しい。そしたら俺も生まれた甲斐があった。


 ああ俺はゴミだ。1日に10缶も酒を飲んでしまった。


 大麻や覚醒剤に行ってないだけで、俺は法律の範囲内のドラッグには全て手を出している。強い依存性のあるアルコールやタバコといった物に依存しまくりの生活を過ごしている。こいつらは俺の中で非常に力強い仲間であり、飲酒欲求と喫煙欲求に関しては、人間が本能的に持つ三大欲求の強さを遥かに超えている。


 酒のみてー、タバコすいてー。


 毎日そんなことを考えて生きている。


 たまに、タバコを吸いながら(タバコ吸いてえ)と思う事もある。


 酒を飲みながら(酒が飲みたい)と思う事もよくある。俺は記憶を無くさないようにアルコール度数の上限を9パーセントに決めている。40パーセントの焼酎なんかをストレートで飲んだら、すぐに記憶も内臓もおかしくなるのは自明だ。俺は28年の人生で、過去に3度も急性膵炎になって入院した。あれは2度と味わいたくない痛みだ。と思いつつ3度もなっている。


「仏の顔は3度まで」


 という言葉を聞いたことのある人は多いと思うが、なんと、


「Unknownの顔は10度まで」


 である。

 俺は非常に寛大な心の保有者である……。急性膵炎が次にいつ来ても構わん。

 あと、彼女募集中だから、いつでもXにDMで連絡してきても構わん。

 まぁ俺の彼女になりたいやつなんて、この世に存在しないだろうけどな。

 どうせお互いに愛し合っても最後は破綻しか待っていないんだ。

 愛していたけど、だめになった。

 愛してみたけど、だめになった。

 あ、俺は誰でもいいわけじゃない。気が合う人が良い。それだけの条件を満たしていれば、年齢・国籍・見た目は問わない。でも女の人が良い。そこは譲れないわな。

 あとは何も気にしない。

 俺は寂しい。

 今も酒を飲んでる、なう。

 つまんねーな。

 つまんねーよ。

 俺の頭を誰かぶっ壊してくれよ。最近俺は平和すぎるんだよ。刺激が足りねえんだよ。

 俺の心を、粉々にぶっ壊してくれよ。

 俺の頭をぶっ壊してくれよ。

 なんで優しい奴しか俺の周りには居ないんだよ???


 俺の頭をぶっ壊してくれ。

 ああ、俺の心をぶっ壊してくれ。憂鬱。どん底。そんな気分だよ。


 俺の心を、粉々にぶっ壊してくれよ。

 俺の頭をぶっ壊してくれよ。

 なんで優しい奴しか俺の周りには居ないんだよ???


 俺の心を、粉々にぶっ壊してくれよ。

 俺の頭をぶっ壊してくれよ。

 なんで優しい奴しか俺の周りには居ないんだよ???


 俺の頭をだれでもいいから壊してよ。


 もう何も感じない頭になりたいよ。


 孤独や不安なんて、今の時点でどうでもいいと感じてる。俺が問題視してるのは、もっと先の部分だ。神が死に、その先で俺が「生きる」か「死ぬか」という点だ。


 なあ、連絡くれよ。(くれなくてもいいよ)


 寂しいよ。


 酒に溺れてるよ。


 俺をぶっ壊してくれ。まだまだ足りない。もっと破壊力のある言葉で、俺を破壊して。


 ねえ。つまんねえよ。


 だって、みんな俺より先に自殺するか、俺より先に幸せになるかじゃねえか。


 ならいっそ、お前が俺を壊してよ。まだまだ足りないぜ。火力不足だ。俺を粉々に破壊してくれ。俺の全てを君が壊してよ。


 なんて言いつつ、俺は缶チューハイを飲んでいる。


 俺はこの世の全てを忘れたい。でも忘れられない人もいる。一緒に憂鬱やどん底を乗り切った仲間だっている。


 俺は人の命だって救ったことがあるんだ。俺の事を「命の恩人」と言ってくれた女性がいる。その人の事はどうしても毎日考えてしまう。元気に笑っていると良いなあ。幸せだと良いなあ。そんなことを勝手に思ってしまう。


 穏やかな日常を送ってほしいと、その人に対しては願っている。


 確定済みの過去は何も変えられないけれど、未確定の未来だったら自由自在に変えられるからなー。


 あー、俺は退屈だ。


 あー、俺は退屈だ。


 それをここに書くことに意味はないが、俺が暇だという証左にはなっただろう。











 終わり




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