「秒針をにらみ」カクヨム短歌賞1首部門応募作品(カクヨム短歌塾その五)

与太ガラス

秒針をにらみ

電車なら諦めもつく でもバスは信号くらい待ってくれても


秒針をにらみ「止まれ」と言ってみる その三秒で夏はもう過去


風抜けて蒸気の粒が匂い立つ夏の日暮れが鼻をかすめる


汗たらし散歩のついでと言い訳しシューアイスだけ買いに出る午後


夕立が降ると言われてなかったら見上げなかった空がきれいで


感情に名前をつけて吐き出せば三十一文字みそひともじうたが生まれる


入学と卒業の間の行間を面接官に読ませろ笑顔


揶揄からかうは一発変換できるのにみそひともじはできぬスマホわがとも


カクヨム短歌塾

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