概要
飴紙の中で寝ている怪獣は 眉の形が君に似ている
ナツガタリ短歌賞10連首部門
日常に潜むいろんな怪獣の短歌です。どうして怪獣なのかは想像にお任せします。
最後二首はレトロな情景描写
日常に潜むいろんな怪獣の短歌です。どうして怪獣なのかは想像にお任せします。
最後二首はレトロな情景描写
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!何度も読み返していた『怪獣図鑑』
怪獣というものを想起する際、私は幼少のノスタルジーを思い出す。ゴジラやウルトラマンなど人間とは程遠い姿形や大きさを成す、あの頃の怪獣たち。それらは街などを蹂躙する恐ろしい存在でもあったが、しかし同様に人間とはかけ離れた二足歩行の愛らしいものでもあった。
〈傷心に展望台へ出てみれば 柵 越えたがる 影ばかりいる〉
この連作は一首ごとに色合いや言葉の手触りなどが異なる。例えば、この作品は怪獣というよりは心に潜む化け物のような容態をしている。小さな声で「行こうよ。」とでも言いたげな。
〈きみの手のTrypoxylus dichotomus 身バレするまで モンスターとす〉
比べてこの作品…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ほら、あなたもわたしものってるよ。1頁、2頁、n頁
怪獣って「わからないもの」なのだと思う。
人が理性や常識に沿う生き物だとしたら、「獣」はそういうものにピタリとはハマらないところにいる存在なのだと思う。
だから未知だったり、予測不能だったり、制御不能だったり、暴れたり、破壊したり。
それがたまらなく愛おしかったり、怖かったり、苦しかったり、救われたり。
みんな、はじめは怪獣。
それが段々ヒトになっていって、でもやっぱり怪獣はここにもそこにもいるし、突然わいて出ることもある。聖人や壊人だっている。誰かにとっては人でも、違う誰かにとっては怪獣ということもある。
そんな1頁を、そっと怪獣図鑑に差し込みます。