秋だから心に染み入る、3つの怪談。

 ホラー短編の名手、遠部右喬さんの書かれた、秋の花にちなんだ3つの怪談です。
 遠部さんの「植物記」というコレクションに収蔵されています。
 第1話は男女の歴史もの(女郎花)、第2話は現代のリーマン(菊)、第3話は現代のお嬢ちゃん(柊)のお話です。それぞれの花に絡んでいます。

 どれもストーリー構成、キャラ造形、文章表現がしっかりしていて、確かな実力の裏打ちを感じます。自分の創作にも学ぶ点が多そうです。
 特に気に入ったのは第1話、少女が手の中に捕まえた子供の魂である蛍を助けるため、命を投げうってとった行動に心が打たれますね。

 ホラー色は薄目、バッドエンドでもなく、万人向けだと思います。
 是非どうぞ。

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